慢性の持病を抱えている人が通院を続けていると、かかりつけの医師から「まだ承認されていない新しい薬を試してみませんか」と言われることがあります。この言葉は、具体的には2つの意味を持っています。1つは、国の承認を受けてはいないものの限定的に出回っている薬を使うというものです。そしてもう1つは、治験への参加を促されるというものです。

治験とは、製薬会社においてまだ開発段階にある薬(厳密に言えば薬の候補)を試験的に使ってみて、その効果や安全性を確かめることをいいます。その検証結果は、医薬品として国が正式に承認するかどうかの判定材料になります。つまり、まだ世に出ていない薬を世に出すためのプロセスということになるわけです。治験への参加は、患者にとっていくつかのメリットがあります。

その1つは、開発中の新薬をいち早く試すことができることです。また、経済的なメリットもあります。治験への参加はあくまでもボランティアなので、通常は薬代を負担する必要がありません。そればかりか、いくばくかの謝礼を受け取れることも珍しくはないので、高額の医療費に悩む人にとっては助けになります。

もちろん、メリットばかりではありません。まだ開発段階にある薬ですから、使ってみたものの効果が出ないこともありますし、副作用のリスクもないとは言えません。それでも、既存の薬ではなかなか治らなかった病気が改善するチャンスがあるとすれば、参加を検討する大きな動機となり得ます。

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